RWENZORI Region

ルウェンゾリ地域
ステータス

Rwenzori Region

(ルウェンゾリ地域)

地域

Western Uganda, Rwenzori Region

(ウガンダ西部、ルウェンゾリ山地域)

品種

SL14, SL28

アラビカ種

風味

Chocolate, Berry, Moca

(チョコレート、ベリー、モカ)

契約農家数

1,950 農家

Kasese

(カセセ)

標高

1200m-2000m

栽培方法

Organic

(有機栽培、無農薬、無除草剤)

加工方法

Fully-traceable washed Arabica

(ハンド⁻フルウォッシュド)

Mt.Rwenzori

東アフリカに位置するウガンダ。その西部にあるのがルウェンゾリ地域だ。


私たちはそこに、首都からバスで8時間ほどかけて向かう。

見えてきた、山脈地帯。

ここに、ルウェンゾリ山はある。


ルウェンゾリ山は、コンゴ民主共和国との国境沿いにある山。

山の梺(ふもと)には、トウモロコシやジャガイモ、豆、キャッサバ、綿花などが植わっている。


町からコンゴの国境沿いを目指して進み、山へと近づいていく。

舗装された道路を走っていると、サファリの名所である、クイーンエリザベス国立公園が見えてきた。


国を象徴しているという動物ウガンダ・コーブがちらほら姿を現す。

コーブはアフリカ地域に生息する動物だ。


さらに山を目指すと、舗装されていた道路も木々が生い茂る山道になってきた。

Trade Center

町には大なり小なり生活の必需品が手に入るトレードセンターがある。

そこへ向けて人々は傾斜の急な山道を降りてくる。

私たち一行もそこで止まった。


「車で行けるのはここまでだ。」


運転手がストップし、一行は車から降りる。

すると、道の先から、巡回から戻ってきた軍の警察隊が近づいてくる。


ウガンダは比較的安全な国だが、国境沿いとなると山賊や武装集団がいたりする。

国を挙げて地域を守っているが、人々の不安はぬぐえないはずだ。


そのようなところでも、生活を送る人々がいる。

農作物を売り、そこからまた必需品を買い、生活している人々が。

人間のたくましさを感じる瞬間だ。

Moving

必要なものを調達した人々は、降りてきた道を、登り、帰る。

片道一時間はざらだ。


彼らは、降りるときには、売るものを背負って山道を降りてくる。

コーヒーも然り、山の奥地から人の手で山の梺まで運んでくる。

想像できるだろうか。一袋30kg~60kgあるコーヒー豆を背負ってあるいは、自転車に載せて運ぶことを。


自転車でも、その労力は並大抵のものではない。

そんな彼らが収入源ともなる農作物を植えている。そして、「栽培は楽しい」と話す。

Coordinator

ここで登場するのが案内人。

ルウェンゾリコーヒー農家を案内してくれる一人、ジョンだ。

彼は笑顔で私たちを迎え入れ、農地を案内してくれた。


彼はフィールドオフィサーといって、ある地域の農家グループ育成の担当者だ。

農家グループで有機栽培を行い、それらの品質の向上に努める重要な人物。


私が驚いたのは、梺から彼がいつも行き来する目的地までの道のり。

暑い日差しが森といえど、容赦なく、射し込んでくる。


私たちは、暑さにひれ伏し、すぐに上着を脱ぐ。

しかし、ジョンはしばらく歩いても、依然として上着を脱ぐ気配がない。


ジョンに尋ねる。「暑くないのか」

ジョンは返す。「なんのことはない」


私たちは驚くが、ジョンはそこで「北風と太陽」に似た話をしてくれた。


「北風と太陽」では、結局、自然の力によって上着を脱がせられる。

しかし、自分はそうではないと。

自分は自分の意志で上着を脱ぐのだと、笑って、話してくれた。


「暑さなんかに負けてられないぞ」


そう私たちに、伝えているような気がした。

Mountain River

「暑い、暑い」と私たちがへたばっていると、目の前に、なんともキレイな川が現れた。

ルウェンゾリ山は、東アフリカの中でも、年中、山頂に雪が積もっている山の一つ。

その山の、雪解け水が流れる。


私たちは、日差しを浴び、汗をかいた顔や腕に水をかける。

冷たくて気持ちいい。


日本の田舎の川での夏場の水遊びを思い出す。

冷たい水でリフレッシュされ、さらに上の山を目指す。


あそこに行けるのかというぐらい遠くの山を指さし、あそこが目的地だと言う。


さあ、進もう。

In the Village

山を進むと、農家グループのみんなが、作業を止めて、待っていてくれた。


チテンジと呼ばれる、カラフルな柄がついた布を纏(まと)う女性たち。

布として使ったり、縫って服にしたり。人によって使い方は様々だ。


私たちは、農家の栽培場所、加工・出荷方法などを見学する。

ただ、それだけではない。

現地の人たちと言葉を交わし、現状を日本へ届ける。

そして、コーヒーを飲んだ日本の消費者の笑顔を農家に伝える。

それが、キャラバン隊の真髄だ。


私たちは、良いもの、美味しいものを追求する。

しかし、農家には消費者の顔が見えない。

自分たちが栽培したものが、どれだけ多くの人に喜ばれているのか。

そして、どこに不足があるのか。知ることができないのだ。


消費者の素直な意見のひとつひとつが、生産者の心を揺り動かす。


より多くの人々に喜んでもらうためには、何が必要なのか。

お互いが追求していくことで、より良いものが生まれると、私たちは信じている。

Processing

作業再開。

私たちが訪れたことで、豆の選定作業が止まっていた。


コーヒーの実を発酵させ、寝かした後、洗い、豆を取り除く。

コーヒーを飲むまでの工程は複雑だ。そして、この工程次第で、味はグンと変わる。


良い豆、悪い豆は見た目でもわかる。

それらを手作業で一粒一粒選り分けていく。


みんな、世間話や冗談を言い合いながら、笑顔を絶やすことなく作業をしている。

一緒に笑いたい、話を共有したいのだが、現地語をそのまま全部訳してもらうのはなかなか難しい。

言葉の壁に、もどかしさを感じる。


きっと話す内容は、世界共通。

近所の噂話や、家庭内での出来事、明日の予定、ひそひそ声での内緒話。

楽しい会話と笑顔に包まれながら、収穫された豆は加工され、出荷へと向かう。

Where we are

私たちがコーヒー農家へ会うために歩いてきた山は、標高1,800m。

そこから、梺をのぞく。遠くの見覚えのある景色を眺め、なんとも大変だったと、感慨にふける。

山を登らないと、至極のルウェンゾリコーヒーは手に入らない。


コーヒーの味は、標高に関係するともいわれている。

低地はロブスタ種、高地はアラビカ種。それぞれ味も異なる。


ルウェンゾリの農家は、山と共に生きる、山の民だ。

梺で必要とされる、大きな木材を頭に抱え、谷を越え、梺に置いて戻ってくる。

そして、現金収入を獲得してくる。


一日の行動量は、私たちの何倍にも上る。

しかし、彼らにとっては慣れたもの。

手に入れた現金を眺め、笑顔をのぞかせている。

Bee on the Cheery

コーヒーはかつて、ブラックゴールドと呼ばれ、石油などと同じように貴重な資源であったといわれている。


そのコーヒーの実のジュースを吸いに、ミツバチが登場。

人間にすら気付かないほどの集中力。

必死に吸うミツバチの姿に、私たちの頬も自然と緩む。


有機栽培だからこそ、来てくれているのだろうか。

虫や動物、人間が共存する。それが自然だ。


その自然が認めたこのコーヒーの実を、しっかりと加工して、人々に美味しいコーヒーを届ける。

そして、コーヒーから生まれた幸せな笑顔を農家へ返す。それが私たちの使命だ。


美味しいコーヒーをつくるための循環。

それを生み出しているのが、農家であり、フィールドオフィサーであり、彼らをまとめている人々である。

Cooperative

別のグループへも向かった。


その農地の子供たちは、休みの日や夕方に、大人と一緒に農作業をする。

収穫から、加工まで。お父さん、お母さんの手伝いだ。

その光景は、日本の畑と同じ。

土地は、親から子、子からまたその子へ様々なものが受け継がれる場でもある。

きっとウガンダの子供たちも、このような機会から色々な物事を学ぶのだろう。


ウガンダにも、日本と同じように、将来はサッカー選手、医者、弁護士など、夢を馳せる子供たちがいる。

父親のような農家になりたいと願う子供も。


子供は夢を持ち、親は子供の夢を応援する。

どの国でも、その姿は変わらない。


学校に行く子供たちの後ろ姿を見ながら、その将来に期待を抱くことは、万国共通の楽しみなのだろう。

Mountain of the Moon

月の山といわれるルウェンゾリ山。

かつてはこの月の山であるルウェンゾリ山がナイルの源流だと信じられてた。

その水源は年中、雪が降る山頂から溶け出した水たちだ。


山頂の半分にも満たないが、コーヒーの木がある場所もかなりの標高である。

その山岳地に住む人々は、どんな夜空を見上げているのだろう。

星や月はどれくらい明るいのだろう。


満月の日は、低地でもライトが必要ないぐらい、月が明るく輝いている。

こんな月夜を眺めていると、ルウェンゾリ山の夜を過ごしてみたいという気持ちに駆られる。


彼らが持っていないものは多いかもしれないが、

私たちが手にすることができないものを持っているのではないだろうか。

Nature

日本は自然が豊かである。

しかし限られた自然であり、動物が野山を駆け巡っているとは言い難い。


対して、ルウェンゾリの農家のすぐ隣には、動物保護区がある。

まさに自然との共存だ。


道路の横にはなにやら大きいものが……。象のフンだ。

朝方、象は、保護区の隣にある農家の畑へと、食べ物を求めて移動してくる。

その置き土産だ。


これだけ雄大な自然と共存し、自然の恵みをたくさん受けたコーヒーは、格別な味がするに違いない。

コーヒーは嗜好品である。

芳醇な香りと口に広がる風味を感じると同時に、限りなく続くウガンダの自然もぜひ味わっていただきたい。